2017年10月25日水曜日

千葉美波子「あにみずむちゃん」

こんにちは、スタッフの二宮です。

千葉美波子「あにみずむちゃん」始まっています。





刺繍家、ABCクリエイターとして、
企業や有名キャラクターとコラボした刺繍商品の開発、
広告等への作品提供を手掛け、
著書も数冊出版している千葉美波子さんによる個展「あにみずむちゃん」


アニミズム
英語animism)とは、生物無機物を問わないすべてのものの中に霊魂
もしくはが宿っているという考え方。(wikipediaより)

ということで、アニミズムを主軸として、数々の作品が展示されています。










千葉さんが刺繍の道を歩むきっかけになった
アルファベットAからZまでをデザインし、刺繍したシリーズは、
スタンダードなものから始まり、
「にゃるふぁべっと」(猫)
「きょりゅふぁべっと」(恐竜)
「いぬふぁべっと」(犬)
「妖怪アルファベット」、、、とどんどんと展開していきます。
26個の文字のなかにおさめられたモチーフは愛らしくユニークで、
見ていて飽きません。

ずっと扉をしていたけれど、次第に「妖怪好き」なことが見え隠れし、
引き出され、ついにアルファベットシリーズに加わった
「妖怪アルファベット」は、真骨頂ともいえるほどに、
千葉さんの妖怪へ対する愛が詰め込まれています。









刺繍教室やワークショップも多数開催されている千葉さんは、
刺繍の美しさ、丁寧な針の運びはもちろんのこと、
図案のモチーフやそれぞれの表情がとてもユニークです。
「下絵を描くときに悩むことはほとんどないです。」
とおっしゃるとおり、画面から楽しげな様子が溢れ出ています。

世界のあらゆる国に存在し、長い歴史のある「刺繍」の技術は、
その行為自体、想いを伝えるためであったり、衣服を丈夫にするためであったり、
わるいものから身を守るためであったり、
様々な意味合いも含まれています。

「アニミズム」の考えを大切にしている千葉さんは、
絵柄のデザインから最終的な仕上げまで、
そこに命が込められているかのように、一連の流れを作っているんだろうな、と
一針一針、丁寧に仕上げられた作品を見ながら思いました。








最新の著書『日本のかわいい刺繍図鑑』からの原画に加え、
今展のために制作された作品も展示しています。
「身体の調子がわるいとき、自分の身体のパーツや内蔵に、
別の人格が宿っているように感じるときがある」という想いから制作した作品や、
大きな自然と生物が一体化して、宇宙を形成していると感じさせる様な壮大な作品、
「世界の子宮ちゃん」シリーズなど、
作品ひとつひとつに物語があります。すべてを説明することができないので、
ぜひ会場で、千葉さんとお話しながら、実物を味わって頂ければと思います。







また、精油を使用したビーガンなお菓子を作っている『Lullaloo』さんのお菓子
(グラノーラ、古代小麦のチョコチャンクスコーン、やきいもスコーン、マロンケーキなどなど)
も会場限定で販売しています。
土日には、『カラミちゃん』によるスパイスカレーの販売もあるそうです。
(写真は千葉さんのインスタグラムから拝借しました。)

身体が喜ぶやさしくておいしいごはんやお菓子も、ぜひお楽しみください。

それから、最後に、こんにちの千葉さんを形成するにあたって
欠く事の出来ない著書第一弾ともいえる、
高校卒業のときに論文として制作した『岩瀬美波子の妖怪事典』も
必ず目を通してください。
刺繍の愛らしさと真逆の様な世界ですが、
ここに全ての始まりが詰まっているように思いました。







千葉さんは、以下の日程で在廊の予定となっております。

24(火)11〜19時
25(水)17〜19時
26(木)14〜18時
27(金)13〜19時(WS16-19)
28(土)11〜19時(WS14-17)
29(日)11〜18時


金曜と土曜に開催される「妖怪アルファベット」のワークショップは定員となってしまいましたが、
もちろん見学もできますし、展示も見られますので、お気軽にお越しください。

ぜひ、近くから遠くから、様々な角度から、見て頂きたいです。


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2017/10/24(火)~10/29(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

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NEXT EXHIBITION>>
2017/10/31(火)~11/5(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

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2017年10月18日水曜日

仲村直+米村知倫「メモリシティ」

こんにちは、スタッフの二宮です。


仲村直+米村知倫「メモリシティ」、始まっています。







みなさんにも過去の記憶というものが脳やからだの中にあるかと思いますが、

自分たちの記憶に残っているイメージ、
または空想からイメージしたものをイラストにして、
それをぼんやりとつなげて、ひとつの架空の町にしてみたら、
そこからはいったいどういう景色が見えるのだろう?
そう思い立ち、今回展示をやってみることにしました。
そこはタンバリンギャラリーでありながら、
無意識と意識が織り交ざった幽霊のような町かもしれません。
それらは記憶のメモリー、パソコンのメモリ、なにかを図る目盛りーだったりします。
さて、ようこそ、メモリシティへ。
サイトより)





  


熊本に生まれ、現在は大分にて活動している米村さんと、
京都に生まれ、日本を点々とし、現在は東京にて活動している仲村さんは、
2年ほど前、イベントをきっかけに知り合います。

仲村さんがあるとき、前世が見える人に自分自身を見てもらった際に、
「一度、誰かと組んでやってみるといい。」と言われ、
さて、誰と組もう、と考えたときにふと米村さんのことが浮かび、
それからすぐに米村さんに連絡をとり、今回の展示へと繋がって行きます。

まるで旧知の仲のように思えるおふたりですが、
ある意味運命的で、引き寄せられたものがあるのかもしれません。

それほどまでに、この『メモリシティ』は、
絶妙のコンビネーションで作られています。










ヒキの構図で、自分の記憶の中にある街を、
モノクロの線で描き込んで行く米村さんと、
ヨリの構図で、自分の頭の中にある架空の街を、
鮮やかな色彩で塗り込んで行く仲村さん。


描き方もその内容も、まったく対照的なおふたりですが、
どこか丸みのある表現に、やわらかな雰囲気が心地よく、
ランダムに配置される事にまったくの違和感を感じません。

「よねさんの絵を見ようとすると、近づいてみるために、僕の絵は目に入らなくなり、
 逆に僕の絵を見るために遠くで見ていると、よねさんの絵が見えなくなるんですよね。
 お互いにじゃましてない感じがして、これは設営して気付いたので驚きました。」

と仲村さん。
おっしゃる通りで、ランダムに配置されたお互いの絵は、
ここちよいリズム感を生んでいます。
また、添えられたキャプションもそれぞれ文章の描き方が全く違うので、
そこもまたおもしろいところ。
記憶を探って、どこか郷愁をくすぐる米村さんの文章に、
歌詞のような、言葉遊びのような、テンポの心地よい仲村さんの文章、
どちらも独特の感性です。









会場をぐるりと見て回って行くと、
どこかなつかしくておかしくて、あたたかいものがおなかの底にたまっていきます。
記憶というのは曖昧で、子どもの頃のことも、
それが本当にあったことなのか、自分で勝手に作った物語なのか、夢でみたものなのか、
どれだかわからないことがたくさんあります。
そういったものをまるっと包み込んでくれるものが、
メモリシティにはあるのかもしれません。





米村さん、仲村さんとも、毎日どちらかが在廊されてます。

21(土)には17時よりレセプションパーティが開かれます。
実は、メモリシティの歌も、あるようなので、
ぜひお二人に歌ってもらいたいですね。
こちらはどなたでもお越し頂けますので、どうぞお気軽にいらしてください。

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2017/10/17(火)~10/22(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

*RECEPTION PARTY 10/21(土) 17:00~20:00


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NEXT EXHIBITION>>
2017/10/24(火)~10/29(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

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2017年10月11日水曜日

平林義男「a pendulm」

こんにちは、スタッフの二宮です。

平林義男「a pendulm」始まっています。




平林義男さんは、長野を拠点に制作活動を続けており、
タンバリンギャラリーでは、2014年10月2015年10月に続き、
今展で3回目の個展となります。










ペインティング、コラージュ、オイルサーフェイスなど、
様々な技法をミックスして描かれた作品は、全部で50点ほど。
平林さんがここ半年で描いたもので、実際はこの3倍ほどの作品が生まれたそうです。

「今回は、描くのがすごくたのしかった。」
と平林さんはおっしゃいます。









描かれるものは、人間だったり動物だったり植物だったり、
平林さんが飼ってらっしゃる亀の「テツオ」もしばしば登場します。
1日2〜3枚描ける時もあれば、全然描けない時もあり、
それでも日記のように、描くことをやめず、

「手で描いていることは、生きていることのあかし。」

だと平林さんはおっしゃいます。

「枯れた絵は描きたくないから、
 いつでもみずみずしい感性やわくわく感を持っていたいよね。」と。

絵の中には、描かれたモチーフの持つ楽しさ可愛らしさに加え、
手で描いて切って貼ったあとが力強く残る
平林さん自身の生命力の様なものを感じます。

今回のタイトル『a pendulm』とは、英語で「振り子」の意味。
振り子のように揺れている社会、世の中。
「世の中に起きていることの方が想像を超えちゃっているから、
 絵くらいは、それを見る時間くらいは、楽しくありたい。」
と平林さん。
様々な想いや願いが、絵の中に込められています。







絵に対して語る時の平林さんの目はまっすぐで力強く、
絵を描く事についての想いの強さが伺えます。
平林さんの在廊の予定は、13(金)14(土)15(日)となっております。
 ぜひ、いろいろな世代の方に見てもらいたいです。

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2017/10/10(火)~10/15(日)
11:00~19:00(月曜休・最終日18:00まで)

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NEXT EXHIBITION>>

2017/10/17(火)~10/22(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

*RECEPTION PARTY 10/21(土) 17:00~20:00

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