2017年5月31日水曜日

寺田順三 × 新木聡「座る絵、見る椅子」

こんにちは、スタッフの二宮です。

寺田順三 × 新木聡「座る絵、見る椅子」、始まっています。




寺田順三さんは1961年大阪出身のイラストレーター。
書籍、雑誌、広告、商品などのイラストとデザインなど、手がけたお仕事は数多く、
また著書もたくさん出版されています。
タンバリンギャラリーでは2012年に一度個展を開いて頂いており、
今回が5年ぶり二度目の開催となります。

新木聡さんは1970年神戸出身のチェアメーカー。
木工所勤務の後、「新木工房」を開業し、
デザインから製作までを一貫して手がけられています。

おふたりが出会ったのは、3,4年前。
そのころから、なにか一緒にやりたい、と話しており、
今回、初めての絵と椅子のコラボレーションが生まれました。










大きな額に飾られた絵は、パーツごとにカットされており、
それらを外して組み立てると、
「座る絵(Picture for Sitting)」に変化します。
通常ですと、カットする際に刃物の厚み分、スキマが生まれてしまうため、
パズル状になったピースはきちっと納まらなくなります。
なので、刃物の厚みを計算してカットした同じ物を2枚用意し、
土台側とパーツ側を入れ替えて使用する、など、
1枚の作品に2倍の工程を費やしているそうです。

寺田さんの描く、カラフルでどこか懐かしく、
見れば見るほど楽しさに溢れているファンタスティックな絵と、
新木さんの、緻密な計算と目を見張るほどの職人技があわさり、
まさに「座る絵、見る椅子」という素晴らしいコラボレーションが生まれています。

組み立ててみた時の絵の切り取られ方、組み合わせ、
形状により、また違った絵に見えて来ることが、
平面のものを立体にしたときの面白さであり、
イラストレーションのもつ可能性を感じるところであり、
またインテリアになることで、より身近に
生活の中に絵をとりいれることができる楽しさに、心が躍ります。









また、新木工房にて製作している椅子のための
ベニヤ板に描かれた原寸大の図面と実際の椅子、
スタッキングできるスツールも展示販売しております。
図面のラインの美しさは普段あまり目にする物ではないので、
それだけで見入ってしまいます。
また、寺田さんのタイポグラフィとイラストの組合わさった作品も、
ここちよいリズムを生んでいます。

ところどころに書かれた『PAIX』という言葉が気になったので、
意味を聞いてみると、
「フランス語で平和って意味で、見た目もかわいいから、入れてるんです。」
とのことで、なんだかそういった細かいところにも、
寺田さんの人柄が現れているような感じがしました。







奥の壁に並ぶのは、こちらも組み合わせると1客の椅子となる、
パーツごとに描かれた絵です。
幾何学的な形の中に、寺田さんの絵が心地よく納まっており、
1点1点の絵としても、充分に楽しくなります。
また木の状態の無地のものに、1枚だけ絵が描かれたものを組み合わせたり
することも可能で、こちらも全て販売しております。







その他にも寺田さんのグッズコーナーには、
組み立てて遊ぶことが出来る「Jungle Friends」、
出産祝いに最適な「ANIMAL FRIENDS MEMORY BOX」、
マグカップでミントやバジルを育てることができる「MUG GARDEN」、
マッチ箱に丸缶に絵本と、こちらも楽しさに溢れていますので、
ぜひお買い物をおたのしみください。

寺田さん、新木さんとも、土日に在廊の予定で、
6/3(土)には17時よりお二人が揃ってレセプションパーティが開かれます。
ご存知の方も多いと思いますが、お人柄もとても楽しい方ですので、
この機会にどうぞいらしてください。

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2017/05/30(火)~06/04(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)
*6/3(土)17時よりレセプションパーティ有

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NEXT EXHIBITION>>

2017/06/06(火)~06/11(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

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2017年5月10日水曜日

.m.Armellino 「into the MASK」

こんにちは、スタッフの二宮です。

.m.Armellino 「into the MASK」、始まっています。





.m.Armelino(ミカエル・アルメリーノ)さんは、
ソウル在住のフランス人アーティスト。
フランスの美術大学でアニメーションを学び、
アニメーションを仕事としていた彼は、
3年ほど前からアーティストとしての活動を始めます。


写真に写された風景を紙に描き、
立体にしたポップアップ、ロボット(マスクをしたアーティスト本人)、
水彩画やモノクロームのグラフィック、
彼が描き出すのは、
親しみやすさの中に不思議な孤独感が漂う詩的な世界です。
(サイトより)








マスクをつけロボットと扮したアルメリーノ本人、
建物、建物の中にいる人たち、など
レイヤーごとに描かれた世界を重ねて見ることで
ひとつの立体的な空間を視体験できるポップアップは、
角度を変えるたびに、様々なものが見えてきます。
「ひとつの絵を長い時間かけて見てほしい。」
と思ったときに、この方法を思いつき、作画から組み立てまで
すべてハンドメイドで本人が制作しています。














下書きをせず、イメージが固まってから描き始める
モノクロのインク画、水彩画は、
アルメリーノ本人の心象風景や、ここ10〜15年間で感じてきた
「Internet-holic(ネット中毒)」「Smartphone-holic(スマホ中毒)」
による、ミスコミュニケーションについて、風刺的に描いています。
まるでマスクをかぶっているように、
本当のところは何を思っているのかわからない、
また会いましょう!と言ってもなかなか次に会うことは少ない、
など、現代におけるコミュニケーションのむずかしさは、
国や言葉に関係なく、ずっと感じ続けていることだと本人は言います。
そうであれば、自分はリアルなマスクをかぶって、
コミュニケーションを図って行く、といった発想から、
ロボットであるアルメリーノは生まれました。





「街の中を歩きたいので付いて来てほしい」というので、
初日に1時間ほどギャラリーを抜け出して、
ロボットアルメリーノと原宿の街を歩きました。
すれ違いざまに、わー!かわいい!とか、かっこいい!とか、こわーい!など、
と声をあげる人、写真を撮る人、ちらっと目だけで彼を追う人、
すれ違ったあとに振り返ってみる人、
まったく気がつかない人、気がつかないふりをする人、
など、人によって反応が様々で、
人はこのように他人のことを見ているのか、というのがよくわかるようで、
とても面白い体験でした。
そしてロボットに扮しているアルメリーノは
リアルアルメリーノよりも、堂々とコミュニケーションを図りに行っているのが
とても象徴的でした。












今年の始めに「作品を見てほしい」と、
アルメリーノは突然ギャラリーにやってきて、
いくつかのポップアップを次々に広げてみせてくれました。
その後、ここのギャラリーがとても気に入ったので展示をしたい、
と連絡があり、今展を開催する運びとなりました。
アルメリーノはたったひとりで、通訳もいないし、
わたしは英語がうまく話せないので、無事に開催できるのか不安な部分もありましたが、
そういったことも、実際に顔を合わせて話すこと、
伝えようとする気持ちを持っていることで
コミュニケーションがうまくいく、ということを
実際に体験することができました。




アルメリーノは、毎日ギャラリーにいます。
1週間という限られた時間ですが、ぜひ会いに来て、
言葉を交わされてみてください。
13(土)にはレセプションパーティも開かれます。
こちらも、どなたでもお越し頂けますので、この機会にぜひお越しください。

追記ですが、
彼が以前手掛けたBjorkのミュージックビデオを教えてもらいました。
どうぞご覧ください。










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.m.Armellino 「into the MASK」
2017/05/09(火)~05/14(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

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2017/05/17(火)〜 05/28(日)まで
春期休廊とさせていただきます。

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NEXT EXHIBITION>>
寺田順三×新木聡「座る絵、見る椅子」
2017/05/30(火)〜06/04(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

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