2018年5月30日水曜日

中村菜都子 個展 Contemplativa ー 観想する生活

こんにちは、スタッフの二宮です。

中村菜都子 個展 「Contemplativa ー 観想する生活」、
始まっています。



100周年記念大村文子基金 平成29年度 第18回「女子美パリ賞」を受賞したことで
2017年4月より1年間、フランス・パリにある
パリ国際芸術都市(Cité Internationale des Arts)に研究員として
滞在制作をしてきた、中村菜都子さん。

タンバリンギャラリーでは、5年ぶり、また帰国後、最初の個展となります。

以下、ギャラリーサイトより。

5年ぶりのタンバリンギャラリーでの個展です。

ここを起点とし感謝しきれないほどの沢山の出会いがありました。

パリで私が感じたことをみなさまと共有できるのを楽しみにしています。



静かに過ごす、考える、感じる、内に向かう時間を意識しながらパリ生活を過ごしてきた。

振り返ってみると1年の間にもっと多くの出会いを求め、

たくさんのことを成し遂げることができたのではと不安に思うこともあった。

けれどもやはり私には、立ち止まり私自身と対話する時間が必要だったのだと思う。

しっかりと食べて、歩く。

限られた人々と過ごす。気になりつつ後回しにしていたことを調べる。

聖書や古典文学を読む。美しい音楽を聴く。モノクロームの映画を観る。

教会、墓地、公園など日本に輸出することのできない文化史跡を訪れる。

毎日数時間だけ手を動かす。これらが私の生活の中心となり12ヶ月間繰り返されてきた。

(女子美術大学同窓会ホームページ、エメール:パリ通信 「パリの向こうへ」より)








リノリウム版画、またゴム版画をベースにしながらも、
刺繍やコラージュ、金箔、螺鈿と
様々な技法を合わせ制作を続ける中村菜都子さん。

今まで日本で制作してきた作品、
VISUAL DIARYとして、パリにて1日1枚のペースで制作してきた作品、
パリでの生活を集約するような思いで現地で制作した大作、
版画をアクセサリに落とし込んだ美しいピース。

菜都子さんの現時点での集大成的な展覧会となっております。









菜都子さんがパリでの生活で一番大事にしてきた「観想する」ということ。
あまり聞き慣れない言葉なので調べると

「特定の対象に深く心を集中すること。観念。
 感官的知覚や行為の実践を離れて,対象を直観すること。」

とあります。
菜都子さんの言葉をかりると、「ぼーっとすること」
そのなかで思いを巡らすこと、なのだと理解しました。

普段日本で制作する場合は、コンセプトをきちんと固め、
版画の性質から、制作する順番や行程をきちんと組み、
進めて行く、というやり方をしていて、
そこから一度離れてみたく、
何も考えず、手の動くままに動かし、アウトプットして行く。
ということを毎日続けてできた多くの作品が、
VISUAL DIARYです。








手の痕跡、素材感、制作する事の喜び、
それらがアブストラクトな表現により、ダイレクトに伝わってきます。
これまでの作品とは真逆の表現方法のようでもあり、
もともと菜都子さんのなかで内包されていたものが、爆発して
手を通して飛び出して来た様な、
壁一面が、四方へ広がって行く星座のように感じました。

こちらの作品はまだまだ壁に貼りきれないほどの数があります。

作品は、即売形式で、そのままお持ち帰りいただけるようになっております。






女子美術大学同窓会HPにて掲載していた「パリ通信」を改めて読み返すと、
菜都子さんのパリでの生活を覗くことができます。

じっくりと物事を考えること、歴史について学ぶこと、
日が沈むまで読書をすること、アーティスト同士の会話、
教会での神聖で静かな時間。

とても尊くて美しい時間のように感じます。
そんな風に日々を過ごしていたからこそ生まれた作品が「VISUAL DIARY」であり、
「caravera」という2メートル弱の大作だと思うと、
すべてがつながっていくようです。





初日から、菜都子さんの帰国を待ちわびていた方々が
多く訪れ、オープニングパーティも賑やかにおこなわれました。

6/2(土)には15時より、フランスでの日々について
語ってもらうスライドトークのイベントもございます。

どなたでもお越し頂けますので、この機会にぜひお越しくださいませ。

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2018年5月29日(火)~6月3日(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)
*オープニングレセプション 5月 29日(火) 18:00 - 20:00
*スライドトーク 6月 2日(土) 15:00 - 16:00

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NEXT EXHIBITION>>

2018年6月3日(火)〜6月10日(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

■トークイベント&サイン会開催!6月9日(土)16:00〜

■UNKNOWN ASIA presents PORTFOLIO REVIEW in TOKYO
6月6日(水)16:00〜21:0

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2018年5月23日水曜日

Group Exhibition「ひきだし」

こんにちは、スタッフの二宮です。

Group Exhibition「ひきだし」始まっています。



今展は、青山塾で学んだ作家5名によるイラストレーションのグループ展です。

展示作家は、
鈴木順一/ナオキ/安藤巨樹/小川智矢/たざきたかなり

イラストの展示にはめずらしく、全員が男性のグループ展です。





ナオキ





鈴木順一






小川智矢





安藤巨樹





たざきたかなり



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5名の作家それぞれが、「ひきだし」というテーマをそれぞれに解釈し、
イラストレーションに落とし込んでいます。

ひきだしの中に入っているもの、
記憶のひきだし、人間のひきだし、
「ひきだし」という言葉ひとつとっても、
さまざまなことが連想されます。

ギャラリーの真ん中には、実際の「ひきだし」が設置されており、
作品の元となった絵のかけらや、ラフ、写真、
音楽など、より個人的なイメージがおさまっているので、
こちらも自由にひきだしてご覧ください。








「ひきだしの中のもの」という共通テーマで、
それぞれが制作したコーナーもあります。
たざきさんは、絵の具をおもむろに机の上に広げ、
初日、ギャラリーにて制作していました。
キン消し、使わなくなった自転車の鍵、リコーダーの下の部分、
外国のコイン、など、その場にいた方々のリクエストに応えながら
1時間ほどすいすいと描いて行く様子は公開制作のようでした。

そのように話しながら、「ひきだし」とは、
もう使わないのだけどなんとなく捨てられなった、でも、
どこに閉まったらいいかわからないものをとりあえず入れておく容れ物
といった感じで、
なんだか可愛らしい空間のように思えて来ました。

5名ぞれぞれの、個人的な記憶や思いに触れ、
自分のひきだしについて思いめぐらせるのも、楽しい時間かもしれません。





5/26(土)には、17時よりクロージングパーティが開かれます。
作家5名も揃いますので、どうぞお気軽にお越しください。


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2018年5月22日(火)〜5月27日(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

*クロージングパーティー 5月26日(土) 17:00〜19:00

鈴木順一/ナオキ/安藤巨樹/小川智矢/たざきたかなり


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2018年5月29日(火)~6月3日(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)
*オープニングレセプション 5月 29日(火) 18:00 - 20:00

*スライドトーク 6月 2日(土) 15:00 - 16:00

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2018年5月16日水曜日

熊木まりこ個展「AUTHENTIC TRAVELER / オーセンティック・トラベラー」

こんにちは、スタッフの二宮です。

熊木まりこ個展「AUTHENTIC TRAVELER / オーセンティック・トラベラー」
始まっています。


熊木まりこさんは、1988年生まれのイラストレーター。
ウェブマガジンや雑誌の挿絵などを中心にお仕事されています。
「AUTHENTIC TRAVELER / オーセンティック・トラベラー」
と名付けられた今展が、初個展となります。









旅行が大好きだという熊木さん。今展のテーマは旅。
レトロですこし懐かしい雰囲気のあるLAの風景が、ずらりと並んでいます。
熊木さんが実際に自分の足で訪れて、自分の目でみた風景、
また、収集した写真から選んで描いたもの、
どれも熊木さんの好きなオールドアメリカンな空気が
いっぱいに詰まっています。








いままで訪れた国は、30カ国以上という熊木さん。
ブルガリアで3日連続お寿司のファミレスに行くことになったこと、
フィンランドのサウナに魅了され、1週間サウナを巡る旅をしたことなど、
旅の話は聞いていてとても楽しく、心が躍ります。
実際に旅先で描いたスケッチもとても味わい深くて楽しいです。

自分の好きな風景を、自分のフィルターを通し、
その人なりの描き方で表現できる、ということは、
とても羨ましく、なによりの旅の宝物になるのだろうなあと思いました。





サウナの入り方やフィンランドの珍サウナを
文章やイラストで紹介している「SAUNA!」のZINE、
イタリアのB級旅行記「All about my <LITTLE> Itary」、
マグネットタイプになっているブックマークなど、
グッズコーナーもとても楽しいです。

熊木さんは、毎日在廊の予定です。
会場には、展示の雰囲気にぴったりの古いJAZZが流れています。
ぜひ、旅気分を味わいにいらしてください。


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(イラストレーター 熊木まりこ個展)
2018年5月15日(火)〜5月20日(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)


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NEXT EXHIBITION>>
Group Exhibition ひきだし
鈴木順一 /ナオキ / 安藤巨樹 /小川智矢 /たざきたかなり 

2018年5月22日(火)〜5月27日(日)
11:00~19:00(最終日18:00まで)

*クロージングパーティー 5月26日(土) 17:00〜19:00

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