2015年5月13日水曜日

都築潤ディレクション 「不安すぎるライン」

こんにちは、スタッフの二宮です。

都築潤ディレクション 「不安すぎるライン」始まっています。






絵をながめていて、いつも気になることが二つあります。
一つは品性、もう一つはかたちです。
必要不可欠な品性とかろうじて維持されたかたちの、関係上に引かれるのが
「境界線=ライン」です。
疑念によって引かれたラインが、手癖やトライブを越えるとき、
作者たちのラディカルなスタイルがそこに現れます。   (都築潤)


本展の、ディレクターである都築潤さんを、
一つの言葉で説明することはとてもむずかしいのですが、
「イラストレーターというよりは イメージメーカー、クリエイティブデザイナー、
 あるいはイラストをデザインするという意味 で、
 イラストレーションデザイナーという感じ」
というTwitterでのプロフィールが、個人的には一番としっくりときます。

「不安すぎるライン」は、都築さんのある一定の目線によって選ばれた、
5名の作者による展覧会です。

各作者へ向けた都築さんの言葉と共に、ご紹介します。






「絵と、文字と、ダサさと、ポップ。いずれの境目も無効にするライン。」


山本歩美さん。

「文字の線や形は意識していますが、文字を描くというよりも、絵を描く感覚で描いています。
   今回は会場の独特な空間から生まれる偶然性を活かし展示をしてみました。」









『いかなるパターン認識をもってしても、宙づりにされるラインの凄み。』


管弘志さん。

「線についてはすごく悩みます。
 平面構成としてここで見切れるとか、面として見たときにここが気持ちいい
 という線の引き方はしますが、線そのものに関しては……。
 計算はせず、とても感覚的に描いています。」








『記号の輪郭から現象のラインまで、すべては速度のために捧げられる。』

林香苗武さん。

「2015年2月に速度主義宣言を出し、速度について真面目に考えています。
 今回は、マンガの手法で、速度を表しています。
 コマとコマの切り替わる瞬間の速度、
 現れて消える現象。ヒュッと瞬間的に消えたり、フワっと消えたり。

 マンガを描くことはずっと封印していたのですが、
 速度のためにこの形態をとることにしました。」






『均一なラインがかわいく連結する。リビドーを形式にとじこめる手綱。』

conixさん。

「隠されているラインが『不安なライン……』です。」


 



『ラインのくつろぎ。デジャヴとアナクロニズム。そして未知の居心地。』

トキタシオンさん。

「タイトルは全部『クルマシオン』です。全45点には、それぞれにテーマがあります。
 45個考えるのは、そんなに苦労はしませんでした。」




季節外れの台風の接近により、お天気すら不安すぎるスタートだったにも関わらず、
初日から多くの方にお越しいただきました。

「今は絵の上手い人、センスのある人が無数にいて、そんな中でたしなみの方向性が
 同じ人を集めても仕方がないので、方向性や嗜好性の違いがある人たちを集め、
 展示を企画することにしました。
 バランスまたはアンバランスな展示になっていると思います。」

「もうひとつ、絵の上手い人が無数にいるなかで、何をやるか…、
 ということについての議論が重要だと考えています。」

都築さんの言葉から、大きな課題を投げかけられているように感じます。
「不安すぎるライン」というタイトルのもと集まった5名の作者の、
技術とセンスだけではない何かを見つけることで、
この課題のヒントが見えてくるような気もします。

各作者、都築さんともに、土日を中心に、在廊の予定となっています。
是非お運びいただいて、気鋭の5名の作者の作品を、ご覧ください。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

2015/5/12(火)~05/17(日)
11:00~19:00(最終日18:00)


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

NEXT EXHIBITION>>


2015/05/19(火)〜05/24(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)




・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 



0 件のコメント:

コメントを投稿