2016年11月17日木曜日

山田心平 個展「小さな頃はいつもそばにヒーローがいたのです」

始まりました、二宮に変わりまして 濱口雅彦がお送りします。





小さな頃はスクリーンやブラウン管の中だけではなく
お店で働く人や運転手さん、車掌さん、
何もかもが特別な存在だと感じていました。
年齢を重ねていきますと寂しいものですが
そのような感動を抱くことが少なくなってきてしまいました。
せめてそのような気持ちを持っていた頃だけは忘れないでいたい、
そんな心持ちで制作にあたっています。

と 山田さんは つぶやいているのですが
町を歩けば人がいて、道があって、塀の中に家が見えて、少し向こうには 高いコンクリートの建物がそびえていて、
電信柱や看板がそこいらに点在し、空と雲と太陽がある世界の中で、
実は毎日毎日感動し続けているのが分かります。
なぜならば そんなすべてが カステラやパウンドケーキのようなアウトラインのない極やわらかな色彩で刷られている作品が
メランコリックだったり、コケティシュだったり、ファンタスティックだったりに溢れたロマンティックな空想的世界だからなのです。





新旧それぞれの木版画作品と、同じ想いを小さな立体にしたアクセサリーがほぼ6年ぶりに集いました。




21世紀が始まったころ、江戸時代の浮世絵師 歌川国芳の描写に
鮮烈な印象を受けて木版画の世界を学び始め
木版画作品の製作を続け、
やっと 素直に自分の色や描写ができるようになったように思います

と答える山田さんです。




作品のモチーフの多くは建物と人です、
描かれている鉄筋コンクリート製建物は 普段は気にもかからないほどの無味乾燥な存在なのですが
その窓の一つ一つ、入口、表札、看板、屋上の作り・・・見てゆくとなかなか気になる部分も出てきます
それを組み上げながら空間すべてを一つの空想的構築物にまとめたものたちなのです。




木版画であることは 色を表現するのに 一色一版と言われるように 色ごとの木版が必要です。
15色の色が刷られていることは、15枚の木版が彫られているわけです。
その版を一色ごとに刷りながら重ねてこの刷り上がりになります。
一色 一色の強さ、色の風合い、版の形、紙の状態すべてが重なった結果なのです。






身近に見ていた景色や情景がどうしてこれほど いろいろな物語のある情景に変わってしまうのか?
どうして羨ましくなるほどの場所に変わってしまうのか
木版画だからできる「やさしく、懐かしく身近な表現」 を是非そばによってご覧になってください。



山田心平さんは18(金)は18:00以降、その他の日は終日在廊されます。


会場の一番奥にはオリジナル アクセサリージオラマがあります。
*原型はすべて山田さんの手によるものです。
町と太陽ペンダント、灯台ペンダント、ブランコピアス、建物ピアス、象さん滑り台リング、町合せリング




素敵なスーべニアになります。




11/19(土)は『プレ クロージングパティ―』を開きます、どうぞ。


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2016/11/15(火)〜11/20(日)
11:00〜19:00(最終日は18:00まで)

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2016/11/22(火)〜11/27(日)
11:00〜19:00(最終日は18:00まで)

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