2015年1月14日水曜日

OLD YOUNG / コヤマナット、松本茜、森島里香

こんにちは、スタッフの二宮です。

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

タンバリンギャラリー2015年の展示がスタートしました。
第一弾は「OLD YOUNG」展。




「OLD YOUNG」展は、京都造形芸術大学の修士課程で学ぶ
コヤマナットさん、松本茜さん、森島里香さんの3名による展覧会です。
田名網敬一さんのゼミで学ぶ彼らは、アトリエで制作時間を長く共にし、
次第に他の学生とは少し違う独特のグルーヴが生まれ、
また、田名網さんの声かけもあって、3名でこの展覧会を開催する運びとなりました。







会場入って、右側手前のスペース、
コヤマナットさん。

1987年オーストラリア、シドニー生まれ。
オーストラリア人と日本人のハーフである自分自身のアイデンティ、
経験、異文化間のギャップ、世の中の違和感などを、
アニメーションやドローイングで表現しています。

「日本にいても、オーストラリアにいても、演技をしているような感覚があって、
 自分なりの知識や考えがないと混乱してしまう。」

「今は、世界的に、いろんなものが数学的、法律的、データ的に処理されていて、
 フラットで、おそろしいところもあり、
 昔はもっと雑多で、コンピューターでは処理できない、矛盾や違和感に溢れていた。」

「作品はまだまだ混乱しているけれど、自分自身は冷静で、
 潜水艦の中から物事を静かに見ているようなところがある。」

そのように、世の中や自分自身に関するギャップや違和感に興味を持ち、
客観的にみつめながら、制作を続けることで、自分なりの世界との関わり方を
模索しているようにも感じられました。







会場内、奥のスペースが松本茜さん。

1990年生まれ。木炭を使用し、夢に見た世界、顔のない人間、
崩れかけながら息づく女性、などをモチーフにすることが多く、
物語に興味があり、萩原朔太郎や谷崎潤一郎の小説の一部を引用し、
アニメーションの制作もしています。


「この絵は、先日亡くなった自分の祖父なんです。
 農具の発明家であった祖父は、少し変わった人で、
 亡くなる時にも『たぬきになる、いやうさぎになる』というようなことを
 言っていたり。頭の中に電波が入っているみたいに。」

「夢の中にでてきたものを描いています。いつも夢の中で、人間には顔がないのです。」

「生きているものより、死んでいるものに興味があるんです。」

松本さんの描く世界は、生と死が交差していて、夢と現実が混ざり合い、
恐ろしさと美しさに、見ている側の感情が揺さぶられながらも、
次第に引き込まれていくものがありました。






会場内、左側のスペースに森島里香さん。

1991年生まれ。
1960〜80年代の自分が生まれる前の時代の雑誌やメディア、
また新聞の記事などから素材を集め、
切り込み、組み合わせて、コラージュの技法で制作しています。


「作品は本の形態をとっていて、一冊一冊コンセプトがあって、
 それをもとに制作しています。」

「言葉の断片と写真の断片、もともとバラバラなものを再構築して、
 気持ちよくはまるときもあれば、変な違和感が生まれる事もあり、
 でもそれはそれで、新しい発見があって面白いんです。」

古いもの、新しいものを組み合わせ、時には自分で描き込むことによって、
強く興味を惹かれる古い時代のものと、今を生きる自分自身を結びつけ、
自分なりの世界を構築しているようでした。






会期中、会場では、松本さんと森島さんがドローイングとコラージュで
共同制作をしています。
ドローイングとコラージュはある意味対極の表現方法ですが
お互いの世界の混ざり方がとても心地よく現れています。
ふたりにあわせて、コヤマさんのギターが即興で参加することもしばしば。




初日は恩師である田名網敬一さん、また活躍中の作家先輩方などがいらして、
多くの言葉を交わされていました。

17日には、16時よりクロージングパーティがあり、
伊藤桂司さんのDJもゆるく行われるということですので、
お時間ございましたら、交流の場としていただければと思います。

サイトや会場内で配布しているステートメントに、
今展についての考え方がわかりやすく興味深く
書かれていますので、こちらもご一読ください。

3名とも、ほぼ毎日、終日在廊の予定となっております。
2015年の始まり、脳みそを揺すられるような体感をぜひ。




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2015/01/13〜01/18(日)
11:00〜19:00(最終日〜18:00)



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